試験によく出る電解質をマスターしよう②

試験によく出る電解質をマスターしよう② 国家試験対策
記事内に広告が含まれています。

国家試験や学校のテストでもよく出題される主な電解質について、今回は、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)の2つを詳しく解説していきます。

重要な部分は赤字にしているので、必ずチェックしてメモしてくださいね!

ポイントをおさえて、苦手を克服していきましょう!

スポンサーリンク

Ca(カルシウム)について

Ca

ではまず、Ca(カルシウム)について解説していきます。

Caは、骨格を形成する役割や、血液凝固、神経の興奮、心臓の収縮、酵素の活性化に関与しています。

  • 基準値:9-11mg/dl
  • パニック値:6mg/dl以下、または12mg/dl以上

Caは、ではリン酸カルシウムとして存在しています。

一方、血清中のCaはイオン化型(約50%)、蛋白結合型(約40%)、非イオン型の重炭酸塩など(約5-10%)の大きく3つに分けられます。

蛋白結合型は、蛋白質である「アルブミン」と結合してます。そのため、蛋白濃度・アルブミン濃度に影響を受けます。よって以下の2つのポイントは押さえておきましょう!

  • 高蛋白血症では見かけ上血液中のCaは上昇
  • 低アルブミン血症では見かけ上血液中のCaは低下

さらに、低アルブミン血症(アルブミン4g/dl以下)の時は、見かけ上血液中のCa濃度は低下するため、補正を行う必要があります。計算式は以下の通りです。

補正Ca濃度(mg/dl)=血清Ca濃度(mg/dl)+{4-血清アルブミン濃度(g/dl)}

このCaの補正式は、国家試験だけでなく、実際の医療現場でも必ず知っておくべきことなので、しっかりおぼえておきましょう!

Caの代謝を調整するホルモン

Caを調整する主要なホルモンは、以下の3つです。

  • 副甲状腺ホルモン(PTH)
  • ビタミンD₃
  • カルシトニン
ホルモン名関係する臓器作用血中Ca濃度
副甲状腺ホルモン(PTH)副甲状腺骨からのCaの溶出
ビタミンD₃腎臓腸からの吸収を促進
カルシトニン甲状腺骨溶解を抑制

ホルモンとCa濃度の関係性は覚えておこう!

高Ca血症の原因

  • 内分泌異常:副甲状腺機能亢進症など
  • 骨異常:多発性骨髄腫など

また、副甲状腺ホルモン(PTH)の数値も関係するので、

  • PTH高値:原発性副甲状腺機能亢進症サルコイドーシス、異所性PTH産生腫瘍
  • PTH低値:ビタミンD過剰症、悪性腫瘍に伴う高Ca血症

低Ca血症の原因

  • ビタミンD欠乏:腎不全など
  • 副甲状腺機能低下症
  • 急性膵炎
  • 低アルブミン血症

低Ca血症の場合も同様に、副甲状腺ホルモン(PTH)の数値が関係するので、

  • PTH高値:特発性副甲状腺機能低下症
  • PTH低値:ビタミンD欠乏症

まだ余裕があるぞって方は、心電図変化も一緒に覚えよう!

Ca濃度による心電図変化

Ca濃度による心電図変化
https://www.nagasaki-clinic.com/
  • 高Ca血症:QT短縮
  • 低Ca血症:QT延長

心電図変化も一緒に覚えると完璧だね‼

スポンサーリンク

Mg(マグネシウム)とは

次に、Mg(マグネシウム)について解説していきます。

Mgは、骨を健康に保つために欠かせないミネラルで、神経の伝達筋肉の収縮、酵素の活性化などに関与しています。

  • 基準値:1.8-2.5mg/dl

体内には約25gのMgがあり、そのうち約50~60%は骨に蓄えられています。

Mgは腸で吸収され、その後、腎臓で再吸収・排泄されます。また、骨に運ばれて体の中で再利用されます。

食事から摂るマグネシウムの吸収率は、1日に300~350mg程度を摂取した場合、約30~50%です。ただし、摂取量が多すぎると、逆に吸収率は下がってしまいます。

高Mg血症の原因

  • 排泄障害:腎不全
  • Mgの異常投与

主な症状

  • 吐き気・嘔吐
  • 筋力の低下
  • 低血圧
  • 心拍の異常(不整脈や徐脈)
  • 意識障害、昏睡(重症時)
  • 呼吸抑制(特に高齢者や腎機能が低下している人で注意)

低Mg血症の原因

  • 摂取・吸収障害:慢性アルコール中毒、下痢など
  • 尿中のMg喪失:Bartter症候群、ケトアシドーシスなど
  • 細胞内への移動:急性膵炎など

主な症状

  • 筋肉のけいれん、こむら返り
  • しびれ、ふるえ
  • 疲れやすさ、虚弱感
  • 不整脈(特に心房細動など)
  • てんかん様発作(重度の場合)
  • 低カルシウム血症や低カリウム血症を伴うこともある

Mg濃度による心電図変化

高Mg血症の心電図変化
https://sindenzu.com/hypermagnesemia/
低Mg血症の心電図変化
https://sindenzu.com/hypomagnesemia/
  • 高Mg血症:PR間隔の延長、QRS幅の延長、T波の増高、QT延長
  • 低Mg血症:QRS幅の延長、T波の減高、QT延長

特徴が多いので、高Mg血症と低Mg血症で違う部分だけを覚えるのもポイントだよ!

スポンサーリンク

まとめ

今回は、Ca(カルシウム)Mg(マグネシウム)の2つを詳しく解説していきました。

前回よりも関連する項目が多いので覚えることは多いですが、一度覚えると点数を取れる範囲は広がるはずです!

電解質は国家試験でも必ず1問は出るので、前回のおさらいも含めて、重要なポイントを押さえて必ず点数がとれるようにしましょう!

前回のおさらいをしたい方はこちらをチェック✅
試験によく出る電解質をマスターしよう①

臨床検査技師国家試験の基本情報を確認しておきたい方は、こちらもチェック✅
【必読】臨床検査技師国家試験合格のための入門編①

タイトルとURLをコピーしました