国家試験や学校のテストでもよく出題される、主な電解質について2回にわけて解説していきます。今回は、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)の3つを詳しく解説していきます。
重要な部分は赤字にしているので、必ずチェックしてメモしてくださいね!
ポイントをおさえて、苦手を克服していきましょう!
電解質とは?

電解質とは、体の中で水に溶けると電気を帯びる成分で、生命活動に欠かせない役割を持っています。
主な電解質と働き
体内には、ナトリウム(Na⁺)、カリウム(K⁺)、カルシウム(Ca²⁺)、マグネシウム(Mg²⁺)、塩化物(Cl⁻) などの電解質があり、それぞれ重要な働きを担っています。
電解質が不足または過剰になると、脱水、筋肉のけいれん、血圧の異常、意識障害、不整脈 などが起こることがあります。特に、発汗、嘔吐、下痢、腎臓の病気 などで電解質のバランスが乱れやすくなるため、適切な水分やミネラルの補給が大切です。
Na(ナトリウム)について
ではまず、Na(ナトリウム)について解説していきます。
Naは生体内で、浸透圧の維持、pH調節、酵素の活性化の役割を担っています。押さえておきたい数値は以下の通りです。
- 基準値:138-145mEq/L
- パニック値:120mEq/L以下、または165mEq/L以上
高Na血症の原因
- 水分の喪失:下痢、嘔吐、尿崩症、高浸透圧利尿
- 水分の摂取不足:意識障害、嚥下障害
- 腎臓の再吸収亢進:原発性アルドステロン症、Cushing症候群
原発性アルドステロン症ではNaの再吸収が亢進
低Na血症の原因
- Naの喪失:Addison病、利尿薬
- 水分過剰:抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、慢性腎不全、ネフローゼ症候群
- 偽性低Na血症:高たんぱく血症、高脂血症
特に、偽性低Na血症は非常にでやすいので、しっかり押さえておきましょう!
K(カリウム)とは
次に、K(カリウム)について解説していきます。
Kは、細胞内陽イオンの主成分であり、細胞の脱分極、体液の酸塩基平衡、酵素の活性化に関係しています。
- 基準値:3.5-5.0mEq/L ★乳幼児はやや高値
- パニック値:2.0mEq/L以下、または6.0mEq/L以上
高K血症の原因
- Kの体外への排泄障害:腎不全による乏尿、Addison病、代謝性アシドーシス
- 細胞外へのKの移行:代謝性アシドーシス、インスリン分泌低下
- Kの過剰摂取:K剤の過剰投与
- 偽性高K血症:溶血検体、長時間の駆血による採血
高K血症で特徴的な心電図所見は、T波の増高(テント状T波)なので覚えておこう!
低K血症の原因
- Kの摂取不足
- Kの喪失:下痢、嘔吐、尿細管アシドーシス、アルドステロン症、利尿剤など
- 細胞内への移行:アルカローシス、インスリンの投与、ブドウ糖の投与
Cl(クロール)とは
次に、Cl(クロール)について解説していきます。
Clは、胃液や膵液などの消化液に多く含まれ、血漿中では遊離型として存在しています。
- 基準値:98-108mEq/L
- パニック値:120mEq/L以上
高Cl血症の原因
まず最初に、Clの数値を判断する時に重要なのが「AG(アニオンギャップ)」です。計算式は以下の通りです。
AG(アニオンギャップ)=[Na⁺]-{[HCO₃⁻]+[Cl⁻]}
- AG正常の場合:代謝性アシドーシス、呼吸性アルカローシス
- 高Na血症:Cushing症候群
AG(アニオンギャップ)の基準値は12±2mEq/L
低Cl血症の原因
- AG正常:嘔吐、代謝性アルカローシス、Addison病
- AG増加:糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、腎不全
まとめ
今回は、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)の3つを詳しく解説していきました。
次回は、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)をより詳しく解説します。是非チェックしてみてくださいね!
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